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はじめに

相続手続きの期限一覧(3か月・4か月・10か月)とデジタル資産を調べる順番

公開日:2026年10月27日 / 最終確認日:2026年10月27日 / ONEQ 編集部

この記事の要点(先に結論)

  • 主な期限は、相続放棄・限定承認が3か月(民法915条)、準確定申告が4か月(所得税法124条・125条)、相続税の申告・納付が10か月(相続税法27条)、相続登記が3年(不動産登記法76条の2)です。
  • 最も早い「3か月」に間に合わせるため、デジタル資産はまず負債の有無とおおよその財産額から調べます。
  • 3か月で判断できないときは、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てられます。
  • 財産の調査中は、解約・売却・引き出しなど処分にあたる行為を控えるのが安全です。

相続手続きの主な期限一覧

相続には、法律で期限が決まっている手続きがいくつもあります。起算点はおおむね「相続の開始(死亡)があったことを知った日」です。代表的なものを一覧にします。

期限手続き根拠・窓口
7日以内死亡届の提出戸籍法。死亡地・本籍地・届出人の所在地の市区町村
3か月以内相続放棄・限定承認の申述(熟慮期間)民法915条。被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
4か月以内準確定申告(故人の所得税の申告)所得税法124条・125条。故人の納税地の税務署
10か月以内相続税の申告と納付相続税法27条。故人の住所地の税務署
3年以内相続登記(不動産を取得した場合)不動産登記法76条の2。不動産の所在地の法務局

準確定申告と相続税の期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から」数えます。期限の末日が土日祝日などにあたる場合は、翌開庁日が期限になります。

3か月:相続放棄と限定承認

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかを選びます。この期間を「熟慮期間」と呼びます。何もしないまま期間が過ぎると、単純承認(プラスもマイナスもすべて引き継ぐ)をしたものとみなされます。

4か月:準確定申告

故人にその年の1月1日から死亡日までの所得があり、申告が必要な場合は、相続人が準確定申告をします。年金受給者や給与所得者でも、不動産収入や株式の譲渡益、医療費控除による還付などがあると関係します。ネット証券の特定口座(源泉徴収あり)の取引は申告不要の場合もありますが、損益通算などで申告が有利になることもあるため、取引報告書の確認が必要です。

10か月:相続税の申告

相続税は、遺産の課税価格の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要です。ネット証券の株式や暗号資産も評価の対象になるため、見落とすと申告漏れになります。延納や物納を希望する場合は、申告期限までに申請が必要です。

3年:相続登記

2024年4月1日から、相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務になりました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。2024年4月1日より前に開始した相続も対象で、その場合は原則として2027年3月31日までに申請が必要です。遺産分割がまとまらないときは「相続人申告登記」で義務を果たす方法もあります。

期限から逆算したデジタル資産の調べ方

デジタル資産は通帳や郵便物が少なく、調査に時間がかかりがちです。最も早い3か月の期限から逆算して、次の順で進めると判断に必要な情報が早くそろいます。

  1. 1〜2週目:手がかりの洗い出し 通帳の入出金、クレジットカード明細、郵便物、確定申告書の控え、スマホのアプリ一覧から、使っていたサービスを書き出します。
  2. 2〜4週目:負債につながるものを先に確認 カードローン、ネット証券の信用取引、FX、暗号資産のレバレッジ取引、後払い・分割払いなどは、損失や未払いが残っていないか各社の相続窓口に照会します。
  3. 1〜2か月目:プラスの財産の残高を把握 ネット銀行・ネット証券・暗号資産交換業者に残高証明書を依頼し、おおよその総額をつかみます。
  4. 2か月目の終わり:判断の見通しを立てる 財産と負債の見通しが立たない場合は、3か月を過ぎる前に期間の伸長を申し立てるか、専門家に相談します。
  5. 4か月目まで:準確定申告の材料をそろえる 年間取引報告書、源泉徴収票、医療費の領収書などを集めます。
  6. 10か月目まで:相続税の評価と申告 死亡日時点の残高・評価額を確定させ、遺産分割と申告を進めます。

調査中の「処分」に注意。相続財産を処分すると単純承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法921条)。暗号資産の売却、証券の売却、預金の引き出し、有料アカウントの譲渡などは、方針が決まるまで控えるのが安全です。判断に迷う行為は、事前に専門家へ確認してください。

調査を早めるための準備

戸籍と法定相続情報一覧図

金融機関の相続手続きでは、故人の出生から死亡までの戸籍と、相続人の戸籍が求められるのが一般的です。法務局の「法定相続情報証明制度」を利用すると、法定相続人を一覧にした図の写しを無料で必要な通数受け取れ、複数の金融機関に並行して照会しやすくなります。

根拠付きの一覧を作る

見つけたサービスは「どこで見つけたか(根拠)」とあわせて記録しておくと、相続人間の共有や専門家への相談がスムーズです。ONEQ はパソコンの中だけで動くアプリ(技術検証版・配布準備中)で、ブラウザの履歴やファイル、パソコン上のiPhoneバックアップなどから所在の手がかりを根拠付きで一覧にすることを目指しています。データは外部に送信せず、ロックの解除も行いません。

証券口座の探し方はネット証券口座の探し方と相続、暗号資産は暗号資産の相続と取引所への連絡で詳しく解説しています。

よくある質問

相続放棄の3か月はいつから数えますか?

民法では「自己のために相続の開始があったことを知った時から」3か月とされています。通常は死亡を知った日ですが、先順位の相続人が放棄して自分が相続人になった場合などは、その事実を知った時からになります。個別の事情は家庭裁判所や専門家に確認してください。

3か月以内に財産が調べきれない場合は?

期間内に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。伸長が認められるかどうかは家庭裁判所の判断です。期限ぎりぎりではなく、余裕をもって準備しましょう。

相続税がかからない場合も、デジタル資産を調べる必要はありますか?

あります。相続税の申告が不要でも、預金や証券の名義変更・払戻しには手続きが必要です。また、負債が見つかれば相続放棄の判断にも関わります。

期限を過ぎてしまったらどうなりますか?

相続放棄の熟慮期間が過ぎると単純承認とみなされるのが原則です。相続税の申告期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかることがあります。気づいた時点で早めに家庭裁判所・税務署・専門家に相談してください。

参考にした公式情報

最終確認日:2026年10月27日

各社の手続き・必要書類・法令の運用は変更されることがあります。実際に手続きをする前に、必ずリンク先の公式ページで最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律・税務の助言ではありません。