パスワード・復旧
iPhoneバックアップのパスワードを忘れたときの対処法
この記事の要点(先に結論)
- 暗号化したiPhoneバックアップは、そのパスワードがないと復元にも中身の確認にも使えません。Appleもパスワードを教えたり、解除したりはできません。
- iOS 11以降なら、iPhoneで「すべての設定をリセット」を行うとバックアップのパスワードがリセットされ、新しいパスワードで新しい暗号化バックアップを作れます。
- ただし、新しいパスワードを設定しても、古いパスワードで暗号化した既存のバックアップは開けません。
- 古いバックアップが必要な場合は、思い当たるパスワードを試すか、iCloudバックアップや別の古いバックアップを使う方法を検討します。
暗号化バックアップとパスワードの仕組み
iPhoneやiPadをパソコン(MacのFinder、WindowsのAppleデバイスアプリまたはiTunes)にバックアップするとき、「ローカルバックアップを暗号化」を選ぶと、バックアップ全体がパスワードで保護されます。Appleによると、暗号化バックアップには、保存したパスワード、Wi-Fiの設定、Webサイトの履歴、ヘルスケアのデータ、通話履歴など、暗号化しないと含まれない情報も入るため、安全のために暗号化を選ぶ人は少なくありません。
このパスワードは、iPhoneのロック解除に使うパスコードや、Apple アカウントのパスワードとは別のものです。数年前に一度設定しただけで、忘れてしまうことがよくあります。Appleのサポートページでは、暗号化バックアップはパスワードがないと使えないと案内されています。
まず試すこと:パスワードを思い出す・探す
- よく使うパスワードを試す:Apple アカウントのパスワード、パソコンのログインパスワード、iPhoneのパスコード、家族の誕生日など、当時使いそうだったものを落ち着いて試します。
- Macのキーチェーンを確認する:Macで暗号化を設定した際に、パスワードをキーチェーンに保存していた場合は、「キーチェーンアクセス」や「パスワード」アプリで「iPhone」「バックアップ」などの語で検索すると見つかる場合があります(保存していなければ見つかりません)。
- パスワード管理アプリやメモを確認する:パスワード管理アプリ、手帳、エンディングノートなども見てみます。
- 設定した人に聞く:家族や販売店のスタッフなど、ほかの人が設定した場合は、その人に確認します。Appleもこの方法を案内しています。
「バックアップのパスワードを解析します」というソフトや業者には注意してください。バックアップには個人情報が大量に含まれます。第三者に渡すと漏えいの危険があり、確実に解除できる保証もありません。
Apple公式:パスワードをリセットして新しいバックアップを作る手順
iOS 11以降(またはiPadOS)の端末では、次の手順でバックアップのパスワードをリセットできます。iPhone本体が手元にあり、端末のパスコードが分かっていることが前提です。
- iPhoneで「設定」を開く。
- 「一般」をタップする。
- 「転送またはiPhoneをリセット」をタップする。
- 「リセット」をタップする。
- 「すべての設定をリセット」を選び、iPhoneのパスコードを入力する。
- 確認画面で、もう一度「すべての設定をリセット」をタップする。
- パソコンにつなぎ直し、Finder、Appleデバイスアプリ、またはiTunesで、新しいパスワードを決めて暗号化バックアップを作成する。
Appleによると、この操作で写真やアプリなどのユーザーデータやパスワードは消えません。ただし、画面の明るさ、ホーム画面のレイアウト、壁紙などの設定は初期状態に戻り、暗号化バックアップのパスワードも削除されます。
「すべての設定をリセット」と「すべてのコンテンツと設定を消去」は別物です。後者を選ぶとiPhoneの中身がすべて消えます。項目名をよく確認してから操作してください。
古いバックアップはどうなるか
ここが最も大切な点です。新しいパスワードを設定しても、古いパスワードで暗号化された既存のバックアップを開けるようにはなりません。リセットで解決するのは「これから作るバックアップ」だけです。
iOS 10以前の端末では、パスワードのリセット自体ができません。
古いバックアップが必要なときの選択肢
| 状況 | 考えられる方法 |
|---|---|
| iPhoneが手元にあり、正常に使える | 上の手順でリセットし、今の状態を新しい暗号化バックアップとして残す |
| iCloudバックアップを使っていた | iCloudバックアップから復元する(パソコンのバックアップのパスワードは不要) |
| パソコンに複数の古いバックアップがある | 暗号化していない、またはパスワードが分かる別の古いバックアップを試す |
| iPhoneが壊れた・手元にない | パスワードを思い出す以外に、そのバックアップを開く正規の方法はありません |
故人のiPhoneバックアップの場合
亡くなったご家族のパソコンに暗号化バックアップが残っていても、パスワードが分からなければ中身を確認できません。故人のiPhone本体のロックや Apple アカウントについては、Appleの「故人アカウント管理連絡先」などの正式な手続きがあります。詳しくは故人のiPhoneとAppleのデジタル遺産プログラムをご覧ください。写真を残したい場合は故人の写真・動画を残す方法も参考になります。
ONEQ でできること・できないこと
ONEQ は、ご自身のパソコンの中だけで動くデスクトップアプリ(技術検証版・配布準備中)です。パソコン上の暗号化iPhoneバックアップを、本人が入力したバックアップパスワードで開き、保存パスワードやアカウントの所在を台帳にできます。一方で、忘れたバックアップパスワードを割り出したり、解除したりする機能はありません。その場合は、上記のApple公式の手順をご案内します。
今後のための対策
- バックアップのパスワードを、パスワード管理アプリやエンディングノートに記録する。
- パソコンのバックアップに加えて、iCloudバックアップも検討する。
- 新しい暗号化バックアップを作ったら、一度パスワードを入力して確認しておく。
よくある質問
Appleに問い合わせればパスワードを教えてもらえますか?
いいえ。暗号化バックアップのパスワードはAppleも把握しておらず、教えたり解除したりすることはできません。iPhoneでのリセットと新しいバックアップの作成が公式の方法です。
「すべての設定をリセット」で写真は消えますか?
Appleによると、ユーザーデータやパスワードは消えません。明るさ・ホーム画面のレイアウト・壁紙などの設定が初期化されます。「すべてのコンテンツと設定を消去」とは別の操作なので注意してください。
リセットすれば古いバックアップも開けるようになりますか?
なりません。新しいパスワードは、これから作るバックアップにだけ有効です。古いバックアップを使うには、当時のパスワードが必要です。
バックアップのパスワードとApple アカウントのパスワードは同じですか?
別のものです。ただし、同じ文字列を設定していた可能性はあるため、思い当たる候補として試してみる価値はあります。
参考にした公式情報
- Apple:暗号化したバックアップのパスワードを思い出せない場合
- Apple:バックアップの暗号化について
- Apple:Apple アカウントのパスワードを忘れた場合
- Apple:アカウントの復旧を使う方法
最終確認日:2026年10月27日
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