アカウント・端末
故人の写真・動画を残す方法:iCloud・Googleフォト・パソコンから安全に保存する手順
この記事の要点(先に結論)
- 最初の原則は「消さない・初期化しない・上書きしない」。写真はまず複製を作り、原本には手を加えずに作業します。
- 写真の置き場所は、スマートフォン本体・クラウド(iCloud写真/Googleフォト)・パソコン・外付けディスクやSDカードの4つに分けて探します。
- クラウドの写真は、故人のアカウントには入らず、Appleのデジタル遺産やGoogleの故人アカウントの手続きなど正規の方法で受け取ります。
- 保存した写真は、少なくとも2か所(パソコン+外付けディスクなど)に分けて保管すると、故障や紛失に備えられます。
最初にやること:消さない・初期化しない
故人の写真や動画は、二度と撮り直せないものです。手続きを急ぐあまり、スマートフォンを解約・初期化したり、パソコンを処分したりして、写真が失われてしまうことがあります。次の3つを家族で共有しておきましょう。
- スマートフォンやパソコンを初期化・下取り・処分しない(写真の保存が終わるまで)。
- 携帯電話の契約や、クラウドの有料プランをすぐに解約しない。容量が減ると、クラウドの写真が保存できなくなる場合があります。
- 原本を直接編集・整理しない。フォルダの並べ替えや削除は、複製を作ってから行います。
注意:パスコードが分からないiPhoneに推測で入力を繰り返すと、設定によってはデータが消去されることがあります。ロックされた端末は、そのまま保管してください。
写真がありそうな場所を洗い出す
| 場所 | 確認のポイント |
|---|---|
| スマートフォン本体 | ロックが開くか。開かない場合は無理に解除しない。 |
| iCloud写真 | iPhoneを使っていた場合、写真がiCloudに同期されている可能性が高い。 |
| Googleフォト | Androidを使っていた場合や、iPhoneにGoogleフォトのアプリを入れていた場合。 |
| パソコン | 「ピクチャ」「写真」フォルダ、iPhoneのバックアップ、デジカメから取り込んだフォルダ。 |
| 外付けディスク・SDカード・USBメモリ | デジカメのSDカードや、昔のバックアップ用ディスク。古いCD-Rなども。 |
| 家族との共有アルバム | LINEのアルバムや、iCloudの共有アルバムなど、家族側に残っているもの。 |
共有アルバムやLINEのアルバムは、家族や友人の端末から見られることがあります。故人のアカウントに入らなくても、身近なところに写真が残っていないか、まず確認してみましょう。
iCloud写真に保存されている場合
故人のApple アカウントのパスワードを家族がリセットしてログインすることはできません。Appleの正規の手続きを使います。
- 故人アカウント管理連絡先に指定されていた場合:アクセスキーと死亡を証明する書類(日本では戸籍謄本など)で、Appleのデジタル遺産のページから申請します。写真は取り出せるデータに含まれます。
- 指定されていなかった場合:相続人として、裁判所の命令やそれに代わる書類による申請ができる場合があります。Appleサポートに相談します。
- アクセスが認められたら:iCloud.comの写真からダウンロードします。オリジナルの形式や、互換性の高い形式(JPEG・MP4)を選べます。Macの「写真」アプリで「オリジナルをこのMacにダウンロード」を選ぶ方法もあります。
手続きの詳細は故人のiPhoneとApple「故人アカウント管理連絡先」で解説しています。
Googleフォトに保存されている場合
本人が生前に「アカウント無効化管理ツール」を設定していれば、指定された人に写真のダウンロードリンクが届くことがあります。設定がなければ、家族はGoogleの「故人のアカウントに関するリクエスト」から「データを取得する」を申請します。
ダウンロード用のリンクや受け取りの案内には期限が設けられている場合があります。通知や連絡が届いたら、早めにパソコンや外付けディスクへ保存しましょう。
ご自身のGoogleフォトは「Google データ エクスポート」(takeout.google.com)で手元に保存できます。.zipや.tgzの形式で書き出され、大きなデータは複数のファイルに分割されます。作成されたアーカイブは7日程度で期限切れになり、ダウンロードは各アーカイブ5回までと案内されています。家族の写真を自分のアカウントにまとめている方は、定期的に書き出しておくと安心です。
故人のパソコンから写真を保存する
パソコンには、スマートフォンから取り込んだ写真や、iPhoneのバックアップが残っていることがよくあります。作業は次の順で進めます。
- 空き容量の十分な外付けディスクを用意する。新品か、中身が空のものを使います。
- 写真フォルダを丸ごとコピーする。移動ではなく「コピー」です。元のフォルダは残します。
- コピーした側で整理する。年ごとのフォルダ分けや重複の削除は、コピーに対して行います。
- iPhoneのバックアップは、フォルダごと保全する。バックアップは専用の形式のため、写真として直接は開けません。消さずに保管し、扱いを慎重に検討します。
パソコンにログインできない場合や、ディスクが暗号化されている場合の注意点は故人のパソコンのデータを見るときの注意を参照してください。ONEQ は、パソコンの中だけで動き、写真やiPhoneのバックアップを含むデータの所在を、原本を書き換えずに一覧にするアプリです(技術検証版・配布準備中)。ロックの解除は行いません。
保存した写真を長く残すために
- 2か所以上に保存:パソコンと外付けディスク、または外付けディスク2台など、別々の場所に保管します。
- 家族で共有:ご自身のクラウドや共有アルバムを使えば、離れて暮らす家族とも共有できます。
- 定期的に開いて確認:外付けディスクやSDカードは劣化することがあります。数年に一度はデータを新しい媒体へ移しましょう。
- プリントも選択肢:特に大切な写真は、紙に印刷しておくと媒体の寿命に左右されません。
よくある質問
故人のiPhoneのロックが開きません。写真はあきらめるしかありませんか?
あきらめる必要はありません。iCloud写真に同期されていれば、Appleのデジタル遺産の手続きで受け取れる可能性があります。故人のパソコンにiPhoneのバックアップや取り込んだ写真が残っていることもあります。
Googleフォトの写真を家族がダウンロードする方法はありますか?
本人がアカウント無効化管理ツールを設定していれば、指定された人に通知が届きます。設定がなければ、Googleの「故人のアカウントに関するリクエスト」から「データを取得する」を申請します。
携帯電話の契約はいつ解約すればよいですか?
写真やデータの保存の見通しが立ってからが安全です。電話番号はApple アカウントやGoogleアカウントの本人確認に使われていることがあるため、手続きの順番を確認してから解約しましょう。
写真の整理はどこから手をつければよいですか?
まず全体を外付けディスクにコピーし、原本は触らないことから始めます。整理や重複の削除は、コピーに対して行ってください。
参考にした公式情報
- Apple アカウントの故人アカウント管理連絡先を追加する方法(Apple サポート)
- 亡くなった家族のApple アカウントへのアクセスをリクエストする(Apple サポート)
- iCloudの写真とビデオをダウンロードする(Apple サポート・英語)
- Google データをダウンロードする方法(Google アカウント ヘルプ)
- 故人のアカウントに関するリクエストを送信する(Google アカウント ヘルプ)
最終確認日:2026年10月27日
各社の手続き・必要書類・法令の運用は変更されることがあります。実際に手続きをする前に、必ずリンク先の公式ページで最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律・税務の助言ではありません。