お金・資産
故人のドメイン・レンタルサーバー・ブログを引き継ぐ手順
この記事の要点(先に結論)
- 最優先は更新期限の確認です。ドメインやサーバーは自動更新の支払いが止まると、期限後に停止・削除され、第三者に取られることもあります。
- ドメインの登録情報はWHOIS(.jpならJPRS WHOIS)で、管理している事業者(レジストラ・指定事業者)は契約メールや請求明細から調べます。
- 名義変更や相続の手続きは事業者ごとに規約が異なるため、管理事業者に故人の死亡を伝え、必要書類を確認します。
- 残すか閉じるかを決める前に、サイトのデータを保全し、広告収入やアフィリエイトの未払い報酬の扱いも各社に確認します。
なぜ早めの対応が必要なのか
ドメイン名(例:example.jp)やレンタルサーバー、ブログサービスは、多くが年単位・月単位の契約で、故人名義のクレジットカードから自動で支払われています。相続の手続きでカードが止まると、更新料が払えなくなり、期限を過ぎるとサイトやメールが止まり、やがて契約やデータが削除されます。
ドメインは、失効して一定期間が過ぎると誰でも登録できる状態に戻ります。故人のお店や活動の名前のドメインが第三者に取られ、まったく別のサイトに使われることもあります。事業用のサイトやメールに使っていた場合は、特に急ぎましょう。
手順1:何を持っていたかを洗い出す
- メールを探す:「更新のお知らせ」「請求」「ドメイン」「サーバー」などの語で、故人のメールを検索します。契約事業者と期限が分かることが多いです。
- カードや口座の明細を見る:ドメイン事業者やサーバー会社からの定期的な引き落としを探します。
- ブラウザのブックマークや保存パスワードを確認する:管理画面のURLやログイン先から、使っていたサービスが分かります。
- 運営していたサイトを見る:サイトのフッターや運営者情報、お問い合わせページの記載も手がかりになります。
ONEQ は、ご自身や故人のパソコンの中だけで動くデスクトップアプリ(技術検証版・配布準備中)で、ブラウザの履歴や保存情報などから、ドメインやサブスクの「所在」を根拠付きの台帳にします。データはアップロードせず、ログインの突破も行いません。
手順2:WHOISで登録情報と期限を確認する
WHOISは、ドメイン名の登録情報を調べられる公開の仕組みです。
- .jp ドメイン:JPRSが提供する「JPRS WHOIS」(whois.jprs.jp)で、登録状態や有効期限、管理している指定事業者を確認できます。
- .com などのドメイン:ICANNが案内する登録データの検索サービスなどで、レジストラ(管理事業者)と期限を確認できます。
登録者の氏名や住所などは、プライバシー保護のため公開されていないことがよくあります。WHOISで分かるのは主に「どの事業者が管理しているか」と「いつ期限が来るか」です。
期限が切れるとどうなるか
| 種類 | 期限切れ後の主な流れ |
|---|---|
| 汎用JP・都道府県型JP(例:example.jp) | JPRSのライフサイクルでは、廃止されると約1か月の「Suspended」状態になり、その月の1日〜20日に回復の申請ができます。過ぎると削除され、同じ名前を誰でも登録できるようになります |
| 属性型・地域型JP(例:co.jp) | 廃止後は6か月の「Deleted」状態になり、回復期間内なら元に戻せます。過ぎると第三者が登録できるようになります |
| .com などの分野別トップレベルドメイン | ICANNのルールでは、期限後に事業者が任意で1〜45日の更新猶予を設けることがあり、削除後もレジストリで30日間の回復期間(Redemption Grace Period)があります。いずれも費用がかかることがあり、DNSが止まってサイトやメールが使えなくなります |
実際の受付期間や回復費用は、管理している事業者によって異なります。JPRSも、申請の受付期間などは指定事業者によって異なる場合があるとしています。
手順3:管理事業者に連絡して名義変更・相続を相談する
- WHOISや契約メールで分かった事業者(レジストラ・指定事業者、サーバー会社)のサポート窓口を、事業者の公式サイトから探します。
- 契約者が亡くなったこと、ドメイン名やサーバーの契約を引き継ぎたい(または解約したい)ことを伝えます。
- 必要書類を確認します。一般的には、死亡の事実が分かる書類、相続人であることが分かる戸籍謄本や法定相続情報一覧図、申請者の本人確認書類などを求められることがありますが、内容は事業者の規約によって異なります。
- 名義変更までの間に期限が来そうなら、とりあえず更新料を払って失効を防げるかも相談します。
ドメインの登録者を変える手続きは、.jpでは原則として管理している指定事業者を通じて行い、.comなどでもレジストラを通じて行います。事業者を移管する前に、まず今の事業者で名義を整えるのが一般的な順番です。
手順4:データを保全し、残すか閉じるかを決める
サイト・ブログのデータを残す
- レンタルサーバーなら、ファイルとデータベースのバックアップを取ります(管理画面のバックアップ機能を使うのが安全です)。
- WordPressなどは、エクスポート機能で記事と画像を書き出せます。
- 無料ブログサービスは、サービスのエクスポート機能や、遺族向けの手続きの有無を各社のヘルプで確認します。
閉じる場合の注意
- ドメインでメールを使っていた場合、取引先や知人への連絡が届かなくなります。必要なら一定期間は残します。
- ドメインを手放すと第三者に取られる可能性があります。故人や家業の名前のドメインは、しばらく維持する選択肢もあります。
広告収入・アフィリエイトの未払い報酬
ブログで広告収入やアフィリエイト報酬を得ていた場合、未払いの報酬が残っていることがあります。未払い報酬は相続財産になりうるものですが、遺族への支払いの可否や手続きは各社の規約によって異なります。管理画面の残高や、報酬の振込明細を記録し、各社のヘルプで遺族・相続の手続きを確認してください。収入があった場合は、故人の所得として準確定申告が必要になることもあります。期限の考え方は相続手続きの期限とデジタル資産をご覧ください。
故人のIDとパスワードで管理画面にログインして、勝手に名義を書き換えるのは避けてください。規約違反になったり、後で相続人同士のトラブルになったりするおそれがあります。事業者の正式な手続きを使いましょう。
よくある質問
故人のドメインの期限はどうやって調べますか?
.jpドメインならJPRS WHOIS、.comなどはICANNが案内する登録データの検索サービスで、有効期限と管理している事業者を確認できます。契約メールや請求明細も手がかりになります。
ドメインの期限が切れてしまいました。もう取り戻せませんか?
すぐに削除されるわけではなく、回復できる期間が設けられていることがあります。.jpはJPRSのライフサイクル、.comなどはICANNのルールに沿って回復期間があります。費用や受付期間は事業者によって違うため、急いで管理事業者に相談してください。
名義変更にはどんな書類が必要ですか?
事業者の規約によって異なります。死亡の事実や相続関係が分かる書類、申請者の本人確認書類などを求められることがあるため、管理事業者に確認してください。
ブログの広告収入は相続できますか?
未払いの報酬は相続財産になりうるものですが、支払いの手続きは各社の規約によります。残高を記録し、各社のヘルプで遺族向けの手続きを確認してください。
参考にした公式情報
- JPRS:JPRS WHOIS
- JPRS:JPドメイン名のライフサイクル
- JPRS:指定事業者一覧
- ICANN:Expired Registration Recovery Policy(ERRP)について登録者が知っておくべき5つのこと(英語)
最終確認日:2026年10月27日
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