お金・資産
故人のサブスク解約の方法:契約の見つけ方から止め方まで
この記事の要点(先に結論)
- 契約者が亡くなっても、解約の手続きをしない限りサブスクの請求は続きます。事業者は死亡を知る手段がないため、遺族からの連絡が必要です。
- 契約はクレジットカードの利用明細、銀行口座の引落し、App Store・Google Playの定期購入、携帯電話料金のキャリア決済から見つけるのが近道です。
- IDやパスワードが分からなくても、契約先の事業者が分かれば遺族の連絡で解約に応じてもらえることが多いと国民生活センターは案内しています。
- 相続放棄を検討している場合は、故人のお金で未払い分を払う、返金を受け取るといった行為に注意が必要です。判断に迷ったら先に専門家へ相談しましょう。
サブスクは「放っておくと払い続ける」契約
動画配信、音楽、クラウドストレージ、ニュース、アプリの有料機能、オンラインサロンなど、月額や年額で自動的に更新される契約(サブスクリプション)は、利用者が亡くなっても自動では止まりません。国民生活センターは、デジタル終活に関する注意喚起の中で、契約者が死亡していても事業者はその事実を知る手段がないため、相続人となる遺族などが解約手続きを行う必要があると説明しています。
1件ごとの金額は小さくても、数が重なると負担になり、何年も気づかないこともあります。まず「何を契約していたか」を洗い出し、次に一つずつ止めるという順番で進めましょう。
契約を見つける4つの入口
| 入口 | 確認する場所 | 見つかりやすい契約 |
|---|---|---|
| クレジットカード | カード会社の利用明細(郵送・Web) | 動画・音楽配信、クラウド、各種Webサービス |
| 銀行口座 | 通帳や入出金明細の口座振替 | 新聞・会員制サービス・プロバイダーなど |
| アプリストア | App Store/Google Play の定期購入一覧 | アプリ内課金、アプリ経由で契約した配信サービス |
| 携帯電話料金 | 携帯電話会社の請求明細(キャリア決済) | 携帯電話会社経由で申し込んだ各種サービス |
このほか、メールの「ご請求」「お支払い」「自動更新」「領収書」といった件名や、ブラウザに保存されたログイン先も手がかりになります。ONEQ は、故人のパソコンの中にあるこうした痕跡やパソコンに保存されたiPhone・Androidのバックアップから、契約していたサービスの候補を端末の中だけで洗い出し、根拠付きの一覧にするアプリです(技術検証版・配布準備中)。データはアップロードせず、ロック解除やパスワードの突破は行いません。
解約の手順
ステップ1:一覧表を作る
見つけた契約を「サービス名/金額/支払方法/更新日/見つけた根拠」の形で一覧にします。支払方法ごとに止め方が違うため、この列が特に重要です。
ステップ2:アプリストア経由の契約を止める
App Store や Google Play で契約したサブスクは、各サービスではなくストア側で解約します。
- iPhone(App Store):Appleの案内では「設定」→自分の名前→「サブスクリプション」で一覧を表示し、解約したいサブスクを選んで「サブスクリプションをキャンセル」をタップします。
- Android(Google Play):Google Play の定期購入ページを開き、解約する定期購入を選んで「定期購入を解約」をタップします。アプリをアンインストールしても解約にはなりません。
どちらも故人の端末やアカウントにアクセスできることが前提です。ロックが解除できない、アカウントに入れない場合は、無理にパスワードを試さず、次のステップの方法やApple・Googleの故人向けの手続きを検討します。
ステップ3:各サービスの窓口に連絡する
ストアを使っていない契約は、各サービスの公式サイトにある「お問い合わせ」「解約」「契約者が亡くなった場合」の案内から連絡します。契約者が亡くなったこと、契約者の氏名、登録していたと思われるメールアドレスや電話番号を伝えると、IDやパスワードがなくても手続きを案内してもらえることがあります。死亡の事実が分かる書類の提出を求められる場合もあります。
ステップ4:支払い元を止める
クレジットカード会社に契約者の死亡を連絡すると、カードは利用停止・解約の扱いになり、新たな決済は通らなくなります。銀行に死亡を連絡すると、口座振替も止まります。ただし、支払い元を止めても、サブスク契約そのものが解約されたとは限りません。未払いの請求が届くこともあるため、ステップ3の解約連絡と組み合わせて進めましょう。
ステップ5:請求が止まったかを確認する
翌月以降のカード明細や請求書を確認し、請求が止まっていることを一覧表に記録します。年額契約は更新月が離れているため、1年分の明細を見直すと安心です。
未払い分と相続放棄の関係
死亡日までの利用料などの未払い分は、原則として故人の債務として相続の対象になります。相続人が支払うかどうかは、相続をするか、放棄するかによって変わります。
相続放棄を検討している場合は慎重に。相続放棄は、原則として自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。故人の預金から未払い分を支払う、解約に伴う返金を受け取って使う、といった行為は、相続を承認したとみなされるおそれがあります。契約を止めること自体は、請求が増えるのを防ぐためにも早めに検討したい一方で、お金の動きを伴う対応は、裁判所の案内を確認し、弁護士や司法書士に相談してから行うと安全です。
見落としやすい契約
- 家族で共有しているプラン:故人が管理者のファミリープランを解約すると、ほかの家族も使えなくなることがあります。写真やデータを移してから止めましょう。
- クラウドストレージ:解約するとデータが削除されることがあります。写真や書類が保存されていないか、先に確認します。
- ドメインやサーバー:解約するとWebサイトやメールアドレスが使えなくなります。事業や仕事で使っていないか確認してから判断しましょう。
- 無料体験からの自動移行:亡くなる直前に始めた無料体験が、有料に切り替わっていることがあります。
よくある質問
故人のIDとパスワードが分からなくてもサブスクは解約できますか?
契約先の事業者が分かれば、遺族からの連絡で解約に応じてもらえることが多いと国民生活センターは案内しています。死亡が分かる書類を求められることもあるため、各サービスの公式窓口で確認してください。
クレジットカードを止めればサブスクも自動で解約されますか?
新たな決済は通らなくなりますが、契約そのものが解約されるとは限りません。未払いの請求が届くこともあるため、各サービスへの解約連絡もあわせて行いましょう。
亡くなった後に引き落とされた利用料は返金してもらえますか?
返金の可否や範囲は各サービスの規約によります。死亡日を伝えて相談してください。相続放棄を検討中の場合、返金を受け取って使うことが相続の承認とみなされるおそれがあるため、先に専門家へ相談すると安全です。
故人のiPhoneのロックが解除できず、App Storeの契約が確認できません。
パスワードを推測して何度も試すのは避けましょう。カード明細や携帯電話料金の明細から契約を特定する方法のほか、Appleが案内している故人のアカウントに関する正規の手続きを確認してください。
参考にした公式情報
- 国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」
- Apple サポート「Appleのサブスクリプションを解約する」
- Google Play ヘルプ「Google Play での定期購入の解約、一時停止、変更」
- 裁判所「相続の放棄の申述」
最終確認日:2026年10月27日
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