お金・資産
電子マネー・ポイント・マイルは相続できる?規約の確認と手続きの手順
この記事の要点(先に結論)
- 電子マネー・ポイント・マイルを相続できるかは、法律ではなく各サービスの規約で決まることがほとんどです。同じ「残高」でも扱いが大きく違います。
- 現金をチャージした残高(前払いのお金)は、規約で相続人への払出しを定めている例があります。たとえば PayPay 残高利用規約は、PayPayマネー等の残高を、確認した相続人に振り込むと定めています。
- ポイントは、会員資格の喪失とともに失効すると定める規約が多く、相続できないものがあります。
- 航空マイルは相続を認めている会社があります。ANAマイレージクラブは逝去日から180日以内に書類をそろえて申請する必要があります。期限があるものから先に確認しましょう。
なぜ「規約次第」なのか
預金や株式は、法律にもとづく相続手続きの仕組みが整っています。一方、電子マネーやポイント、マイルは、それぞれの事業者と利用者の間の契約(会員規約)で成り立っています。そのため、相続できるか、いつまでに何を出せばよいか、はサービスごとの規約で決まります。
大まかには、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 性質 | 相続の扱いの傾向 |
|---|---|---|
| チャージした残高(スマホ決済・プリペイド・交通系IC) | 利用者が現金を前払いしたもの | 規約で相続人への払出しや払いもどしを定めている例がある |
| ポイント(共通ポイント・店舗ポイント) | 事業者が特典として付与したもの | 会員資格の喪失や退会とともに失効すると定める規約が多い |
| 航空マイル | 会員プログラムの特典 | 相続を認め、期限や必要書類を定めている会社がある |
この表はあくまで傾向です。同じ会社でも「残高」と「ポイント」で扱いが異なることがあるため、必ず個別の規約を確認してください。
確認と手続きの手順
- 使っていたサービスを洗い出す:スマホの決済アプリ、財布の中のカード、クレジットカード明細のチャージ履歴、メールのポイント付与通知などから候補を集めます。
- 期限のあるものを先に確認する:マイルのように「死亡から〇日以内」の期限があるものは、ほかの手続きより先に確認します。
- 規約の「相続」「死亡」「退会」の条項を読む:公式サイトの会員規約や利用規約を開き、ページ内検索で「相続」「死亡」と入力すると早く見つかります。
- 公式の窓口に連絡する:相続人であることを伝え、必要書類(死亡が分かる戸籍謄本、相続人の本人確認書類など)を確認します。
- 受け取りと解約を記録する:払出しを受けた金額や手続き日を一覧に残しておくと、遺産分割や相続税の申告で役立ちます。
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主なサービスの公式情報(2026年10月時点で確認)
ANAマイレージクラブ(マイル)
ANAの公式案内では、会員が亡くなった際、所定の手続きにより、マイル口座に残る有効なマイルを法定相続人へ相続できるとされています。
- 受付期間は会員の逝去日から180日以内で、180日以内に必要な書類がすべてそろった状態での申請に限られます。
- 「退会届・マイル相続申請書」とチェックリストを印刷し、必要書類のコピーと一緒に郵送します。
- クレジット機能付きのカードは、各カード会社で別に退会手続きが必要です。
- 相続人がANAマイレージクラブに未入会の場合は、入会してから申請書を記入します。
JALマイレージバンク(マイル)
JALも会員規約でマイルの相続に関する取扱いを定めています。必要書類、申請期限の有無、相続後のマイルの有効期限などは、JAL公式サイトのマイレージバンクのQ&Aや規約で最新の内容を確認してください。
PayPay(スマホ決済の残高)
PayPay残高利用規約では、残高アカウントの権利は原則として相続させられないとしたうえで、利用者に相続が発生し、PayPayマネー、PayPayマネー(給与)、PayPayマネーライト等の残高が残っていた場合には、同社所定の方法で正当な相続人と確認した人に、振込手数料を差し引いた額を振り込むと定めています。また、アカウントを閉鎖した時点で残っていた残高は失効し、返金されないとも定めています。相続人が先にアカウントを解約してしまわないよう注意しましょう。
交通系ICカード(Suicaなど)
交通系ICカードの残高は、発行した鉄道会社の窓口で払いもどしの手続きができる仕組みがあります。記名式のカードや定期券の払いもどしでは本人確認書類が必要とされ、本人以外が手続きする場合の扱いもあります。契約者が亡くなった場合の具体的な扱いや必要書類は、発行元の鉄道会社の公式案内や窓口で確認してください。スマホに入っているモバイル版は、カード型と手続きが異なることがあります。
共通ポイント・店舗ポイント
共通ポイントや店舗のポイントは、会員規約で「会員資格を失ったときにポイントは失効する」と定めているものがあり、死亡によって退会扱いになると、ポイントも使えなくなる場合があります。相続できるかどうかはサービスによって異なるため、規約を確認し、分からなければ公式の問い合わせ窓口で確かめましょう。
故人のスマホやアプリで残高を使い切るのは避けましょう。故人のアカウントを家族が操作することは多くの規約で認められていません。また、故人の財産を使う行為は、相続放棄をしたい場合に支障になるおそれがあります。手続きは必ず公式窓口を通して行ってください。
相続財産としての扱い
相続人が払出しを受けた残高や、相続したマイルなどは、相続財産として遺産分割や相続税の計算に関係することがあります。金額が大きい場合や、評価の方法が分からない場合は、税理士や税務署に相談してください。
よくある質問
故人のスマホ決済の残高は相続できますか?
サービスの規約によります。たとえばPayPay残高利用規約では、PayPayマネー等の残高を、確認した正当な相続人に振込手数料を差し引いて振り込むと定めています。アカウントを先に閉鎖すると残高が失効する規約もあるため、解約前に公式窓口へ相談してください。
ANAのマイルはいつまでに手続きすればいいですか?
ANAの公式案内では、会員の逝去日から180日以内に、必要書類がすべてそろった状態で申請する必要があります。期限が短いので、ほかの手続きより先に確認しましょう。
共通ポイントは家族に引き継げますか?
会員資格の喪失とともにポイントが失効すると定める規約があり、引き継げない場合があります。サービスごとに規約を確認し、不明なら公式窓口に問い合わせてください。
交通系ICカードの残高はどうすればいいですか?
発行した鉄道会社の窓口で払いもどしの手続きができる仕組みがあります。契約者が亡くなった場合の必要書類は、発行元の公式案内や窓口で確認してください。
参考にした公式情報
最終確認日:2026年10月27日
各社の手続き・必要書類・法令の運用は変更されることがあります。実際に手続きをする前に、必ずリンク先の公式ページで最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律・税務の助言ではありません。