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亡くなった家族のネット銀行の調べ方と相続手続き

公開日:2026年10月27日 / 最終確認日:2026年10月27日 / ONEQ 編集部

この記事の要点(先に結論)

  • ネット銀行は通帳がないことが多く、メール・スマホのアプリ・郵便物・確定申告の控え・ほかの口座の入出金明細が主な手がかりです。
  • 口座が見つかったら、ログインを試みるのではなく銀行の相続窓口に連絡します。連絡後、口座の取引は原則として制限されます。
  • 必要書類は遺言書や遺産分割協議書の有無で変わります。法務局の法定相続情報一覧図の写し(無料)を取ると、戸籍の束を何度も出さずに済みます。
  • 葬儀費用などで急ぐ場合は、遺産分割前でも1つの金融機関につき150万円を上限に、相続人が単独で払戻しを受けられる制度があります(金額は計算式で決まります)。

ネット銀行の相続が難しい理由

店舗のある銀行なら、通帳やキャッシュカード、届いた郵便物から口座の存在に気づけます。ネット銀行は口座開設から取引まで多くがスマートフォンやパソコンの中で完結し、通帳を発行しない口座が一般的です。そのため、家族が存在を知らないまま残高が眠り続けることがあります。

国民生活センターも、亡くなった家族のネット上の契約や口座について、IDやパスワードの手がかりがなく遺族が困る相談が寄せられていると注意を呼びかけています。大切なのは、ログインできるかどうかではなく、「どの銀行に口座があるか」を突き止めることです。口座の存在さえ分かれば、相続手続きはIDやパスワードがなくても進められます。

口座を探す5つの手がかり

1. メール

故人のメールボックスを、銀行名の一般的な語(「銀行」「口座」「お取引」「入出金」「ログイン通知」「定期預金」など)で検索します。ネット銀行は取引のたびに通知メールを送ることが多く、銀行名と支店名が分かる場合があります。迷惑メールフォルダも確認しましょう。

2. スマートフォンのアプリ

ホーム画面やアプリ一覧に銀行アプリ、家計簿アプリ、ワンタイムパスワード用のアプリが入っていないか確認します。家計簿アプリには連携している口座の一覧が表示されることがあります。ただし、ロックが解除できない端末を無理に開けようとする必要はありません。

3. 郵便物と書類

ネット銀行でも、口座開設時のキャッシュカードの送付台紙、年1回の取引報告、税金関係の書類などが郵送されることがあります。机の引き出しや書類箱にある、銀行名入りの封筒は捨てずに保管しておきます。

4. 確定申告書・源泉徴収票・年金の書類

確定申告書の控えにある還付金の受取口座、給与や年金の振込先、公共料金やクレジットカードの引落口座は、口座の存在を示す確かな証拠です。

5. ほかの口座の入出金明細

すでに分かっている口座の通帳や明細に、ネット銀行への振込や、ネット銀行からの入金があれば、その銀行に口座がある可能性が高いと言えます。振込先の名義が本人であるかを確認しましょう。

パソコンの中の手がかり(ブラウザのブックマーク、保存されたログイン先、ダウンロードした明細PDFなど)を一つずつ探すのは手間がかかります。ONEQ は、ご自身や故人のパソコンの中だけで動き、こうした痕跡から「どこに口座がありそうか」を根拠付きの台帳にまとめるアプリです(技術検証版・配布準備中)。データをアップロードせず、ロックの解除やパスワードの突破は行いません。見つかった銀行への連絡は、各行の正規の相続窓口で行います。

なお、いわゆる口座管理法にもとづき、預貯金口座にマイナンバーを届け出ていた人については、相続人が預金保険機構の「相続時預貯金口座照会」を金融機関の窓口経由で申し込める仕組みがあります。照会できるのは、故人が生前にマイナンバーを届け出ていた口座に限られます。利用の可否や必要書類は、取引のある金融機関や預金保険機構の案内で確認してください。

口座が見つかったあとの相続手続きの流れ

全国銀行協会は、預金相続の手続きをおおむね次の4つの手順で案内しています。ネット銀行も基本は同じですが、窓口がなく、電話や郵送、専用の受付フォームで進むことが多い点が異なります。

  1. 銀行に死亡を連絡する:銀行の公式サイトにある「相続」「お亡くなりになったとき」のページから連絡方法を確認します。連絡すると口座の取引は原則として制限され、口座振替なども止まります。
  2. 必要書類を準備する:遺言書の有無、遺産分割協議書の有無で必要な書類が変わります(次の表)。
  3. 銀行所定の相続手続書類を提出する:郵送されてくる書類に記入し、相続人の署名・押印をして返送します。
  4. 払戻し・名義変更を受ける:書類に不備がなければ、指定した相続人の口座へ払い戻されます。日数がかかることがあります。

残高を正確に知りたいとき、相続税の申告が必要になりそうなときは、あわせて死亡日時点の残高証明書を請求しておくと、その後の遺産分割や申告で使えます。

必要書類の目安

状況主な書類(全国銀行協会の案内による概要)
遺言書がある遺言書、検認調書または検認済証明書(公正証書遺言以外)、死亡が確認できる戸籍謄本等、預金を相続する人(遺言執行者)の印鑑証明書
遺産分割協議書がある相続人全員が署名・押印した遺産分割協議書、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
遺言書も協議書もない故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
家庭裁判所の調停・審判調停調書謄本または審判書謄本(確定表示がなければ審判確定証明書も)、預金を相続する人の印鑑証明書

銀行によって追加の書類を求められることがあります。必ず各行の案内に従ってください。

法定相続情報一覧図を使うと楽になる

複数の銀行や証券会社に同時に手続きをするとき、そのたびに戸籍謄本の束を提出するのは大きな負担です。法務局の法定相続情報証明制度を使うと、戸籍謄本の束と相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)を法務局に提出し、登記官の認証文付きの写しを無料で交付してもらえます。この写しは、金融機関での払戻し、相続税の申告など多くの手続きで戸籍の束の代わりに使えます(受け付けるかどうかは各機関に確認してください)。

急ぎのお金が必要なとき:遺産分割前の払戻し制度

相続人どうしの話し合い(遺産分割)がまとまるまで預金は引き出せないのが原則ですが、2019年7月に施行された民法909条の2により、葬儀費用や当面の生活費のために、各相続人が単独で一定額の払戻しを受けられるようになりました。

たとえば、ある銀行の残高が600万円、法定相続分が2分の1の相続人なら、600万円×1/3×1/2=100万円まで払戻しを受けられます。払い戻した金額は、遺産分割でその相続人が先に受け取ったものとして扱われます。

相続放棄を考えている場合は注意してください。故人の預金を引き出して使うと、相続を承認したとみなされるおそれがあります。借金が多いかもしれないときは、払戻しを受ける前に専門家へ相談してください。相続放棄の期限(原則として相続開始を知った時から3か月)にも気をつけましょう。

やってはいけないこと

よくある質問

通帳がないネット銀行の口座は、相続人が調べれば必ず見つかりますか?

必ず見つかるとは限りません。メール、アプリ、郵便物、確定申告書、ほかの口座の明細を組み合わせて探すのが現実的です。故人がマイナンバーを届け出ていた口座なら、預金保険機構の相続時預貯金口座照会を金融機関経由で申し込める場合があります。

故人のIDとパスワードが分からなくても相続手続きはできますか?

できます。相続手続きは銀行の相続窓口に戸籍謄本などを提出して行うもので、ログインは不要です。銀行名さえ分かれば、まず相続窓口に連絡しましょう。

遺産分割前の払戻し制度で、いくらまで引き出せますか?

口座ごとに「相続開始時の預金額×3分の1×法定相続分」で計算し、同じ金融機関からは150万円が上限です。払い戻した額は遺産分割で先に受け取った分として扱われます。

法定相続情報一覧図の写しにお金はかかりますか?

法務局での交付は無料です。ただし、作成のために集める戸籍謄本などの取得には市区町村の手数料がかかります。

参考にした公式情報

最終確認日:2026年10月27日

各社の手続き・必要書類・法令の運用は変更されることがあります。実際に手続きをする前に、必ずリンク先の公式ページで最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律・税務の助言ではありません。